ブロックチェーンの活用事例 分野別10選 〜ブロックチェーンでできること〜

仮想通貨の基幹技術である「ブロックチェーン」は、多様な分野へ応用できる技術として注目されています。しかし「具体的にどのような場面で利用させるのだろう」と疑問を持つ方も多いでしょう。

そこで、本記事ではブロックチェーン活用事例10選を紹介します。さらに、ブロックチェーン関連ビジネスの進化の流れや代表的な特徴についてもみていきましょう。

BLOCK CHAIN

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    ブロックチェーンの特徴

    ブロックチェーンの特徴

    ブロックチェーンとは取引の履歴を暗号化して、過去から1本のチェーンのようにつなげることで正確に取引履歴を維持するための技術です。

    その特異な仕組みからデータの改ざんや不正が極めて難しい仕組みになっています。ブロックチェーンの主な特徴は次の3つです。

    • データの改竄が非常に困難
    • 取引の透明性
    • トレーサビリティ

    ここでは、特徴に関する詳しい内容をみていきましょう。

    データの改竄が非常に困難

    ブロックチェーンの大きな特徴に、データの改竄が非常に困難な点が挙げられます。ブロックチェーンにおける「ブロック」には取引データが格納されています。そのブロック内にある情報を改竄しようとすると、一定時間内に改竄した情報を含むブロック以降の全ブロックを修正しなければなりません。

    さらに、ブロックチェーンのネットワークに参加するパソコンやサーバーなどの過半数以上に、同様の修正を施す必要があります。過去から1本のチェーンのようにブロックがつながっている仕組み上、改ざんはほぼ不可能であるといえます。

    取引の透明性

    ネットワークに参加するすべての参加者が同じ取引情報を共有するブロックチェーンは、取引における透明性の高さも特徴の1つです。すべてのデータをブロックチェーン内で履歴形式で保持するため、自身が持つパソコンやサーバーに格納されたブロックチェーン情報から、いつでも過去の情報を取得できます。

    このように、すべての取引履歴につながりを持たせながら残すことは、取引の透明性を大きく高めます。

    トレーサビリティ

    ブロックチェーンは、個々のやり取りを後から追跡できるなど、トレーサビリティを確保できます。トレーサビリティとは「いつ、どこで、だれによって作られたのか」といった途中の工程の情報を記録し、追跡可能にすることです。

    一般的なシステムでトレーサビリティを確保するには、さまざまなシステム上にあるデータ同士を連携させる必要があります。しかし、ブロックチェーンはすべての取引履歴がブロックに格納されているため、データ同士を連携させる必要がありません。

    さらに、データは時系列順に格納されており、過去にさかのぼっていつでもデータを参照でき、高いトレーサビリティを実現できます。

    ブロックチェーン関連ビジネスの進化

    ブロックチェーン関連ビジネスの進化

    仮想通貨の基幹技術として2008年に誕生したブロックチェーンは、技術のアップデートとともに、さまざまなビジネスモデルも進化させました。その進化の歴史は「ブロックチェーン1.0」「ブロックチェーン2.0」「ブロックチェーン3.0」と呼ばれています。

    誕生当時の「ブロックチェーン1.0」のフェーズでは、仮想通貨のビットコインの核となる技術の1つに過ぎませんでした。その後「ブロックチェーン2.0」のフェーズになると、同じく仮想通貨のイーサリアムにブロックチェーン技術が応用され、個人間送金や契約の自動履行など、金融分野にその技術に活用がされ始めます。

    そして、現在は「ブロックチェーン3.0」のフェーズに入り、金融以外の分野でもブロックチェーン技術が急激に応用され始めました。今後はブロックチェーン技術の有用性に気づいたさまざまな企業が実務に応用するだけでなく、新たなプラットフォームの誕生にも大きく影響することが予想されます。

    参考:ブロックチェーン活用事例10選 ― 2019年はブロックチェーン3.0時代へ

    ブロックチェーン活用事例10選

    ブロックチェーン活用事例10選

    「データの改竄が非常に困難」「取引の透明性」「トレーサビリティ」とったブロックチェーンの特徴は、国内外問わずさまざまな分野で活用されています。そこで、次の5分野
    に分けて、それぞれの活用事例を紹介します。

    • 金融分野(フィンテック)
    • スマートコントラクト
    • トレーサビリティ
    • 知的財産権の保護
    • 身分証明

    実際にブロックチェーン技術がどのように利用されているのかを活用事例から知り、今後の技術開発や市場参入の参考としてみてください。

    金融分野(フィンテック)

    ブロックチェーン技術によって既存の金融システムを塗り替えるとして注目を集めるのが「フィンテック」です。フィンテックとは「金融(Finance)」と「技術(Technology)」の造語で、金融サービスと情報技術を組み合わせ革新的な動きを意味します。

    参考:FinTech(フィンテック)とは何ですか?  : 日本銀行 Bank of Japan

    このフィンテックの分野では「三菱UFJフィナンシャルグループ」と「赤十字社」の2つの活用事例を紹介します。

    COIN | 三菱UFJフィナンシャルグループ

    国内最大の金融グループである三菱UFJフィナンシャル・グループでは、2019年4月よりブロックチェーン技術を使った仮想通貨である「coin(コイン)」を実用化すると発表しました。ユーザーはスマホアプリを使って銀行口座の預金とcoinを交換でき、加盟店での支払いや特典ポイントの受け取り、個人間の送金などにも利用可能です。

    また、ブロックチェーン技術を活用する仮想通貨の課題であった「レート変動の大きさ」に対しても、1コイン=1円に価値を固定することで価格変動を抑えています。今後は、低コストかつ多様なお金のやりとりにcoinを活用し、利用者の買い物データに収集につなげていくとしています。

    参考:「MUFGコイン」今年後半に実用化へ 三毛社長が語る:朝日新聞デジタル

    独自通貨の発行 | 赤十字社

    戦争や災害時に傷病者の救護活動を中心とした人道支援を行う赤十字社では、ブロックチェーンによる地域の独自通貨発行を計画しています。これまで、現金の不足によって商品やサービスを販売できない新興国への支援は、食料や医療品といった物資によって行うのが一般的でした。

    しかし、インフラの未整備や横流しなどの影響もあり、本来物資を必要とする市民に届かないケースが多く発生していたのです。そこで、赤十字社は携帯電話を端末としたブロックチェーンによる地域通貨を発行して労働者の給料に利用し、地元の商品やサービスの支払いに利用することで経済の活性化を目指します。

    その結果として、リアルタイムに使用状況を把握できるだけでなく、透明性も維持できます。さらに、利用用途の調査や支援の効果測定に役立てられるとして期待されているのです。

    参考:赤十字がブロックチェーンを活用し、アフリカで「地域通貨」発行へ | 一般社団法人日本クリプトコイン協会

    スマートコントラクト

    ブロックチェーン上で自動的に契約を実行する仕組みである「スマートコントラクト」もビジネスの分野で活用されています。この仕組みは必要な金額の硬貨を投入し、ボタンを押した時点で売買契約が成立する自動販売機に似ています。

    自動であるがゆえに契約内容の改ざんが難しく、安全な取引の実現が可能です。そんなスマートコントラクトを活用した事例として「 ツーバイスペース」と「イーサリスク」の2つを紹介します。なお、スマートコントラクトに関する詳しい内容は次のページで解説しています。

    スマートコントラクトとは? 仕組みや事例・メリット・デメリットを解説

    不動産取引 | ツーバイスペース

    不動産テック企業であるZWEISPACE(ツバイスペース)は「レジスターナイト」と呼ばれるブロックチェーン技術を活用したシステムによって、不動産登記における権利記録の実務運用を開始したと2019年11月に発表しました。

    不動産売買が成立した日時や場所などをブロックチェーンに自動記録することで、社内情報の整理だけでなく、確実性の高い不動産取引や権利記録実行の実現を目指しています。

    今後は国内での取扱件数を増やすことで日本の登記システム自体を改善し、さらにはレジスターナイトの海外への普及も視野に入れています。

    参考:不動産のブロックチェーン登記(権利記録)、日本国内でも大手司法書士法人が運用開始

    保険プラットフォーム | イーサリスク

    イーサリスクとは、スマートコントラクトを活用した分散型保険プラットフォームのことです。保険の対象となる事案の情報を外部から取り込み、スマートコントラクトによって保険金の支払いに関する判定や実行を自動で行います。

    従来は人によって判断や実行していたプロセスを自動化することで人件費の削減につながり、その結果としてユーザーが支払う保険料や手数料なども抑えられるのです。

    実際に、飛行機のフライト遅延に対する補償に取り入れられるなど、保険金の支払い可否の妥当性を高めるイーサリスクは今後も需要拡大が予想されます。

    参考:https://etherisc.com/

    トレーサビリティ

    ブロックチェーン技術によって商品の生産から消費までの過程を追跡するトレーサビリティの面でも、ビジネスの場で活かされています。トレーサビリティが求められる理由は、何らかの不具合やトラブルがあった際に原因を特定し、対策を講じるために必要だからです。

    トレーサビリティが不十分な場合、不具合やトラブルに対して迅速に対応ができず、ユーザーの信頼を失いかねません。ここでは「ウォルマート」と「みんな電力」の2つの事例を挙げて紹介します。なお、トレーサビリティについては次のページで詳しく解説しています。

     

    トレーサビリティとは何か? 種類・必要性・ブロックチェーンとの関係

    食品の安全性 | ウォルマート

    アメリカのスーパーマーケットで世界最大の小売企業であるウォルマートは、ブロックチェーン技術によるトレーサビリティを食品の安全性や透明性の確保のために活用しています。

    コンピュータ業界の世界的な巨大企業の1つであるIBMと提携し、商品や製品が消費者の手元に届くまでのサプライチェーン全体の流れをトレースできるシステムを構築しました。このシステムを利用することで、食品の原産地や出荷明細、生産者、卸売業者、小売業者などの情報をすべて追跡できます。

    さらに、収集したさまざまなデータやを組み合わせることで鮮度の維持や保存期間の延長にもつながり、結果としてフードロス削減も可能にしているのです。ブロックチェーンによって食品のトレーサビリティを促進できれば、サプライチェーン全体の健全化が図れます。

    参考:米小売大手Walmart、野菜などの管理にブロックチェーン導入へ

    電力のトレーサビリティ | みんな電力

    再生可能エネルギーによって持続可能な世界を目指すみんな電力は、ブロックチェーンを活用した電力取引やトレーサビリティシステムを導入しています。実体が目に見えない電力をブロックチェーン上に記録することで「どの発電所からどれだけの電気を購入したか」を証明できるようにしました。

    欧州ではすでにこのような取り組みがスタートしていましたが、年間単位の取引が一般的でした。しかし、みんな電力では30分単位で電力をトレーサビリティすることで、より精度の高めているのです。

    その結果として、再生可能エネルギーを直接取引できるオープンプラットフォームの構築を推進しています。

    参考:【みんな電力】60倍高速化したブロックチェーン技術を基盤に電力に加え、空気、バッテリーなどライフスタイル領域のトレーサビリティ実現を目指す

    知的財産権の保護

    ブロックチェーンの改竄が非常に難しいという特徴を生かし、知的財産権の保護にも活用されています。知的財産権とは、人間の知的活動によって生み出されたアイデアや創作物などを「他人に無断で利用されない」ための権利です。

    映画や音楽、絵画などの著作物を保護する著作権や発明を保護する特許権、考案を保護する実用新案権、デザインを保護する意匠権、サービスやサービスなどのマークを保護する商標権などがあります。

    これまで、これらの証明は「実際に保有する事実」や「政府や自治体、団体などの承認」によってなされており、管理が十分ではない業界も多く存在しました。しかし、ブロックチェーンを活用することで権利の証明を迅速かつ透明性高く担保できるようになったのです。ここでは「ソニー」と「NFT」の事例を紹介します。

    音楽の著作権管理 | ソニー

    世界でも最大級のAV機器メーカーであるソニーは、音楽の著作権管理にブロックチェーンを活用しています。これまで、音楽の権利情報を一括管理する「業界団体」や「著作権管理団体」に権利情報を証明してもらうことで、コンテンツの作成者に利益が生まれる仕組みにとなっていました。

    しかし、ブロックチェーンを利用することで、コンテンツ作成に関するすべての情報を記録でき、改竄もできない状態を作り出せます。その結果、音楽の権利情報を一括で管理する必要がなくなり、関わる作成者の同意のもとで共有できます。

    さらに、権利情報の証明も不要となり、著作権情報登録に関わる業務の効率化も目指せるのです。まずは教育コンテンツから導入を開始し、その後音楽や映画、電子書籍などへ拡大していく予定としています。

    参考:SONY ブロックチェーン

    デジタルデータの売買 | NFT

    ブロックチェーン技術はアートや音楽、コレクターズアイテムなど、デジタルデータの売買にも活かされています。これらを代替不可能なデジタル資産としてブロックチェーン上で所有証明書を記録し、固有の価値を持たせる非代替性のデジタルトークンを「NFT」と呼ぶのです。

    デジタルデータの売買などの取引履歴をブロックチェーンに記録することで、履歴と合致しないものを複製品であると判断できます。また、不正が起きた場合も「いつ」「どこで」「誰が」不正を働いたのが特定しやくなるのです。

    このNFTの技術はデジタルデータの分野のみならず、新たな分野やビジネスでも活用できる技術として注目されています。NFTに関する詳しい内容は次のページで解説しています。

     

    【初心者必見!】NFTとは?特徴や仕組みをわかりやすく解説します!

    身分証明

    情報が改竄が起きにくいブロックチェーンの特徴は、身分証明にも活用できます。身分証明はマイナンバーや戸籍を始め、Webサービスの会員情報など個人1人が複数の情報を所有しています。

    しかし、ブロックチェーン上で管理すれば、1つのIDでさまざまな認証を行うことも可能です。ここでは「ID 2020」「Pass」の2つの事例を紹介します。

    ID 2020

    ID2020とは、個人の認証に関する課題を解決するために設立された国際的な官民のパートナーシップのことです。何らかの原因で公的な身分証明の手段を持たない人々は、世界人口のおよそ6分の1ほど存在すると推定されています。

    しかし、教育や医療、銀行、モバイルコミュニケーション、住宅など通常の社会活動に参加するには、身分証明が欠かせません。そこで、ID2020ではブロックチェーンを利用し、公的な身分証明の手段を持たない人々に公的なデジタルIDを付与しようとしています。

    ブロックチェーンと生体認証システムを活用し、2030年までに安全かつ永続性のあるデジタルIDを普及させることを目標にしているのです。

    参考:ID2020 | Digital Identity Alliance

    Pass

    株式会社Xyonが開発した「PASS」は、マイナンバーカード や運転免許証などの物理的な身分証の代わりとすること目的に開発されました。ブロックチェーン上に書き込んだ個人情報を基に、身分証として代用できるようにしているのです。

    ブロックチェーンは構造や管理方法の観点から個人情報を取り扱いに適しており、今後はイベント会場などの本人確認や入退室システム、社員証などの活用の幅を伸ばしていくとしています。さらに、ワクチンパスポートへの導入も進んでおり、地方自治体の業務改善にもつながると期待されているのです。

    参考:便利さとセキュリティに特化したブロックチェーン身分証『PASS』

    まとめ

    ブロックチェーン技術の根幹である安全性の高さは仮想通貨に留まらず、さまざまな場面で活用されていることをお分かりいただけたかと思います。ビジネスにおいて不可欠な「信頼」を担保するにはブロックチェーン技術が有効であり、利用用途は分野を問わず幅広くあります。

    ブロックチェーン技術が当たり前のように生活に溶け込む将来も、そう遠くないものになってきました。今回ご紹介した事例を参考に、自社はどのようにブロックチェーンを活用すべきかをぜひ一度ご検討いただければと思います。

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