分散システムとは? 定義・種類・仕組み・特徴について解説
分散システムとは?
昨今、「DX」という言葉を頻繁に目にしている方も多いのではないでしょうか?現在、物理的なやり取りの制限によって業務フローや組織の在り方の見直しを図る企業も増えています。
クラウドや機械学習、IoT、5Gといった技術に注目が集まる中、ブロックチェーン技術もDXを推進する技術の1つとして期待されています。本記事では、DXの概要やブロックチェーン技術が果たす役割、実際の事例などについてご紹介します。
最近メディアなどでDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を頻繁に目にする機会が増えたのではないでしょうか。
コロナウイルスの影響もあり、物理的なやりとりが制限され、業務フローや組織編成の見直しを進めている企業も多いはずです。コロナ後を見据え、DXを推進する省庁の設置を求める提言も自民党内から出ています。
クラウドや機械学習、IoT、5GなどがDXを支えるテクノロジーとしてよく挙げられますがブロックチェーンもまた、DXを推進する技術のひとつです。
DXとは、デジタルトランスフォーメーションの略です。ビジネスにおけるデジタル化が加速し、変化が激しいビジネス環境に対応するためにテクノロジーを駆使し、経営のあり方やビジネスプロセスを再構築するデジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性が広まっています。
DXという概念は、2004年ウメオ大学(スウェーデン)のエリック・ストルターマン教授が初めて提唱したとされ、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」ことがDXであるとされています。また、DXを実現するにはステップが3つあるとされており、DXはこの第3フェーズに位置づけられます。
具体的には、AIやIoT、ブロックチェーンといったテクノロジーを駆使し、様々な機器やシステムから取得した膨大なデータを分析、処理しながら新たなビジネス価値を生み出すことがDXが目指す真の姿でしょう。
ブロックチェーンはその特性上、データの改ざん防止や真正性を担保する手段として役に立ちます。更に、特権的な管理者を置かずにネットワークを構築することが可能です。これらの特徴のおかげで異なる部署や企業間でのデータのやりとりや連携が可能になります。
また、ブロックチェーンの共有台帳は、既に多くの企業で導入されている基盤システムやSaaSなどとの連携を通して、部署や企業を超えて使える共通の参照先として使うことができます。業務フローを一気通貫してデジタル化できる可能性を秘めています。
画像引用:https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation_kasoku/pdf/20201228_2.pdf
経済産業省が2020年10月に発表した調査では全体の9割以上の企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組めていないレベルであるという結果がでています。経済産業省はこの状況を、「デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みはまだ不十分なレベルにあると認識せざるを得ない」としています。
一方で、2020年に新型コロナウイルス感染の対策として、企業がテレワークをはじめとした労働環境の改革や、ITインフラの整備を行ったことは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の後押しとなりました。
企業がDXを促進して得られるメリットを4つ紹介します。
DXする際に、業務をIT化していく必要があります。そのIT化によって業務効率化が促され、結果として生産性向上が期待できます。人事は個人情報を扱うため、髪を使うなどアナログな業務が他職種に比べて多い可能性があります。
このアナログな業務を全てIT化することで、業務の削減や作業効率の大幅な向上を期待でき、より付加価値が高い業務に注力することができるようになります。
DX化が進んでいくことによってこれまでは取得できなかったデータが取得できるようになりました。このデータを基に、新しいサービスを開発することが可能です。データを分析し、そのデータを使用できるような新たなサービスを創出することができます。
DXはワークライフバランスも促進します。業務効率化によって業務時間を削減することができ、残業時間の減少が期待できます。
また、業務のデジタル化によってリモートワークでも仕事ができるようになり、離れた場所での業務推進にも繋がります。会社のDXを進めることで、働き方革命の実現に近づくことができます。
競争上の優位性を確立することが目的であるので、DX化を果たすことで企業競争力が向上します。人事においても、人事データを取得し活用することで、これまでにないデータトリブンな人材育成などが可能になります。
ブロックチェーンを活用したDX実現の代表的な事例を3つ紹介します。
三菱商事はNTTとの共同出資企業「インダストリー・ワン」を2021年度に設立しました。「インダストリー・ワン」は日本の産業界全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を促進することが目的として設立されました。DXの土台づくりからデジタルビジネスの創造までを一貫して実行し、支援します。
また、三菱商事とNTTを含めた3社で、ブロックチェーン等の先端技術を活用して、企業間でスマートコントラクトを導入する実証実験を行う計画をたてています。ブロックチェーンの実証実験は2021年度から開始し、在庫最適化ソリューションの提供と併せて、食品流通業界における食品ロスや人手不足等の課題解決に活用。
まずは持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた食品流通産業の継続的な発展に寄与することを目指します。インダストリー・ワンは食品流通分野からサービス提供を開始し、その後は日本の産業界全体のDXを促進できるように事業を拡充していく計画を立てています。
参考:三菱商事とNTTによるDX新会社設立について~ 食品流通分野からサービス提供を開始、あらゆる産業へ展開 ~ | ニュースリリース
「Maersk」は共同で貿易電子化プラットフォーム「TradeLens」をIBMと共同開発しました。TradeLensによって多くの関係者同士でデジタル化された書類をリアルタイムで共有することができるため、貿易業務のコストが大幅に削減されます。
TradeLensはすでに本番環境で稼働しており、10カ国以上の事業者と連携しています。2020年5月の実績として、累計11億件のイベント処理と900万枚以上の貿易書類のデジタル化がプラットフォームで行われました。
TradeLensのようなサプライチェーンのデジタル化、効率化は、コロナを受けて加速するかもしれません。
参考:TradeLensコンテナ物流ソリューション – 日本 | IBM
航空会社は安全性を最大限担保するために、航空機に使われている部品やエンジンの来歴を完全に把握しなければなりません。
しかし、部品の追跡は紙ベースで行われるため、履歴が不完全になることもあります。エンジンの販売やリースの際、部品の履歴を適切に説明できないが故に交換せざるを得なくなり、使用できない中古品が発生してしまいます。
General Electric傘下で航空機用エンジンの大手サプライヤー「GE Aviation」は、航空機用の部品を追跡できるサプライチェーン官営システムにブロックチェーンを導入することで、部品の照合にかける時間とエラーの発生を大幅に削減しています。このシステムは他社と共同で利用が可能です。
参考:航空業界がブロックチェーンベースのヘルスアプリケーションを提供開始
DXの必要性が叫ばれるなかで様々なテクノロジーの活用が検討されており、ブロックチェーン技術もそのひとつです。新しい技術であるがゆえに、PoC段階のプロジェクトは多いですが、ご紹介したGE AviationやTradeLensのように実用化されている事例も少なくありません。
さらに、国内でも様々な企業がPoCを行うなど、近い将来ブロックチェーンを活用したDX事例が複数出てくるでしょう。