メタバースにブロックチェーンはどのように関わるのか

メタバース(Metaverse)とは、アバター操作で楽しめる3次元仮想空間です。近年、メタバースがブロックチェーンと融合したことで利便性が向上し、急速に注目されはじめました。そこで、当記事ではメタバースにブロックチェーンがどう関わるのか解説していきます。

 

BLOCK CHAIN

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    メタバースとブロックチェーンの関係性

    メタバースとブロックチェーンの関係性

    現状は共通の基盤限定ですが、ブロックチェーンには非代替性を持つトークン「NET」の発行規格が存在することから、メタバースと一定の相互運用性があります。そのため、ブロックチェーンを活用してメタバースの構築が可能です。

    ここでは、メタバースとブロックチェーンの関係性を理解するためにも、ブロックチェーンの概要やメタバース×ブロックチェーンで何が起こるのかをみていきましょう。

     

    ブロックチェーンとは

    ブロックチェーンとは、ブロックチェーン上で実行される取引を多数のコンピューターで共有する技術です。例えば、銀行の顧客取引データや資産などは銀行のサーバーですべて管理しているため、サーバーがハッキング被害にあった場合はデータの流出・喪失につながります。

    一方、ブロックチェーン技術ではそれぞれのコンピューターに分散されて取引データを管理・共有しています。そのため、1つのサーバーにハッキングしただけでは取引データを盗めません。

    また、銀行の場合は記録簿は他人には公開されないため、本当に相手が資金を持っているのか確認できませんが、ブロックチェーンは公開された記録簿として活用できます。よって、どのくらいの暗号資産やデジタルアセットを保有しているかなどを誰でも参照が可能です。そのため、ブロックチェーンはデータの信頼性や信憑性を担保できます。

     

    メタバース×ブロックチェーンで何が起きるのか?

    ブロックチェーンを活用してメタバースを構築すると、メタバース内のデジタルコンテンツに資産性を持たせられます。これが近年注目されている「NFT」と呼ばれる技術です。

    また、ブロックチェーン技術によって改ざんが不可能で透明性の高い取引データを保持できることから、より高度で安全なメタバースの実現が可能です。メタバースに関する詳しい内容は次のページで解説しています。

    メタバースはマーケティング分野でも活用できる!事例から見る活路とは?

     

    メタバースの中核となる要素

    メタバースを完全に体現したサービスやプラットフォームはいまだ実現していないものの、中核をなす要素はすでに生まれつつあります。メタバースの中核をなる代表的な要素として次のとおりです。

    • データなど高度な相互運用性がある
    • コンテンツや体験が創られ多くの人々が運用している
    • 常時ライブ状態で同期し続けられる世界
    • 拡張性があり同時にアクセスできる人数に制限がない

    これらの要素がブロックチェーンと組み合わさることで相乗効果を生み出します。

     

    メタバースとブロックチェーンの関わりが強い3つの技術

    メタバースとブロックチェーンの関わりが強い3つの技術

    メタバースとブロックチェーンの関わりが強い技術として、次の3つが挙げられます。

    • Web3.0
    • 暗号資産取引
    • NFT

    メタバースを活用するためにはそれぞれの特徴を正しく理解しておかなければなりません。ここでは、各技術の詳しい内容についてみていきましょう。

     

    1.Web3.0

    Web3.0とは、ブロックチェーンの活用によって誕生した分散型ネットワークです。分散型ネットワークはWeb2.0の問題であったプライバシーやセキュリティなどの課題を解決したクリーンなネットワークを構築できます。

    Web3.0はWebの発展型ではなく、広義的な意味でインターネットの移り変わりを表しているといえるでしょう。現在はGAFAなどの大企業がWeb市場を独占しており、プライバシー観点など世界中で問題視されています。

    この問題の解決になる可能性がある技術として注目されているのがWeb3.0です。Web3.0に関する詳しい内容は次のページで解説しています。

    【2022年最新】Web3.0の代表的なサービス事例8選!注目が集まる理由と課題についても解説

    Web3.0とは?ブロックチェーン技術によって変わること

     

    2.暗号資産取引

    暗号資産のウォレットであれば本人のIDとリンクができることから、メタバース内で法的検証が必要な現実の自動車・住宅の購入などの取引を気軽に行えます。暗号通貨の発行量は規定されているため、暗号資産取引ではインフレが生じないのが暗号資産取引のメリットです。

    ウォレットをクリックすれば容易にログインできるため、一般的なWebサイトのようにログイン情報を覚えておく必要はありません。

     

    3.NFT

    メタバースとブロックチェーンの関わりが強い技術としてNFTも挙げられます。NFT(Non-Fungible Token)とは「非代替トークン」とも呼び、デジタルコンテンツに資産性を持たせられます。

    デジタルコンテンツは簡単に複製できることから、絵画などのように資産価値を持たせるのが難しいといわれてきました。しかし、NFTはブロックチェーンによってデジタルコンテンツを唯一のものにでき、著作権に似た形として証明できます。

    著作権が証明されたデジタルコンテンツは資産として扱うことができ、二次使用の取引で発生した利益を得たり、取引したりできます。NFTの特徴や仕組みについては次のページでわかりやすく解説しています。

    【初心者必見!】NFTとは?特徴や仕組みを徹底解説します!

     

    ブロックチェーン技術とメタバース構想の活用が期待される4つの分野

    ブロックチェーン技術とメタバース構想の活用が期待される4つの分野

    ブロックチェーン技術とメタバース構想の活用が期待される分野としては次の4つが挙げられます。

    • バーチャルライフ
    • ゲーム
    • 不動産投資
    • リモートワーク

    ブロックチェーンとの融合によってさまざまな分野でメタバースが活用できるようになりました。ここでは、分野ごとの特徴について詳しくみていきましょう。

     

    1.バーチャルライフ

    メタバース空間を活用することで、バーチャルライフを楽しめます。例えば、バーチャルライブに参加すれば、バーチャル空間でファン同士の交流やグッズ購入が可能です。

    同じくバーチャルスタジオに参加すれば、周りの人たちと一緒にスポーツを観戦している感覚で応援したり、楽しんだりできます。アバターが自由にスタジオをめぐって、ライブと同様にグッズ購入したり、購入したグッズがリアルに手元に届いたりする仕組みも構築されつつあります。

     

    2.ゲーム

    ゲームはメタバースの導入が急速に進んでいる分野の1つです。広義的にはメタバースに含まれ、先駆けともいうべき存在の「あつまれ どうぶつの森」は、ゲーム内へのアクセスを移住と呼び、他社との交流を楽しみながら仮想世界を楽しみます。

    また、ブロックチェーンを利用したメタバースプラットフォームの「Decentraland」では、暗号資産によってメタバース内の土地などを売買できます。また、アバターを使用したフェス参加など、現実世界に近い体験が可能です。

    ゲームをプレイすることで暗号資産を得られるNFTゲーム全般を意味する「GameFi」についても次のページで解説しています。

    GameFiとは?注目を集める理由や仕組み、おすすめのNFTゲーム15選を徹底紹介!

     

    3.不動産投資

    NFTを譲渡証書として使用することで、バーチャル世界でも現実世界と同じように不動産を購入し土地の所有権を表せます。そして、市場の需要によっては土地を貸し出すことで不動産投資が可能です。

    土地の貸し出しはDeFiプラットフォーム「PARSIQ」のIQプロトコルを介して実施でき、IQプロトコルによって現実世界と同じように賃貸料として不労所得を得られます。

     

    4.リモートワーク

    3次元の仮想空間であるメタバースを活用すれば、バーチャル上でリモートワークが可能です。ZoomなどのWeb会議システムの場合、リアルタイムでやりとりできるものの、臨場感に欠けます。

    一方、メタバースを利用したリモートワークのプラットフォームであれば、VRゴーグルによって実際に会社に集まり同じ空間を共有しているような臨場感でリモートワークが可能です。VRやAR、MRといった現実世界と仮想世界の融合によって現実にはないものを知覚できる技術の総称の「XR」について、次のページで解説しています。

    XRとは?注目が集まる理由や構成技術、ビジネスシーンでの活用事例を徹底紹介!

     

    ブロックチェーンとの融合が完全なメタバース実現に近づける

    改ざんが不可能かつ透明性の高い取引データを保持できるブロックチェーン技術によって、高度かつ安全なメタバースの実現が可能となりました。また、Web3.0によってセキュリティ問題などがない新しいインターネット世界も誕生しつつあります。

    これもひとえにブロックチェーンによって、メタバースの安全性や利便性が向上した賜物といえるでしょう。今後もブロックチェーンとの融合が完全なメタバース実現に近づけると予想され、自社のビジネスにどう活かしていくのかを検討する段階に差し掛かっているといえるでしょう。

    次のページでは、メタバース開発に強いシステム開発会社10選を紹介しています。依頼する会社の選び方も解説していますのでぜひ参考にしてみてください。

    メタバース開発に強いシステム開発会社10選!依頼する会社の選び方も紹介

     

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